2016年9月12日月曜日

プログラミングにおける演算子と言語の進化に関する思想録

いきなり紛糾から本文を始めてしまいますが、現代において最も幅広く使われている言語の直系の始祖はC言語です。しかし、このC言語は最大にして不可侵の過ちを犯してしまいました。それはそう、"代入演算子"です。
数学における"="記号は"等価"を表します。a = 1という式は、aは1と等しいという意味であり、それ以外の何者でもありません。しかし、あやつ(C言語)はこの記号に代入という新たな意味を割り当て、代わりに等価演算子は"=="という新たな記号を生み出してしまいました。これにより、数学世界とコンピュータ世界の乖離が発生してしまったのです。

この乖離により、コンピュータ言語への入門のハードルが一段階上がってしまったと言えるでしょう。なぜなら、C言語での代入記号の導入により、その血筋を受け継ぐ言語(いわゆるC系言語)においても、"="記号は、代入演算子として使用される羽目となり、その結果、これら後継言語においても数学世界との乖離を生み出してしまったためです。
代入記号の導入により生み出される混乱は以下の通りです。


  1. if文内で数学の"="記号として、この記号を使用する
  2. 実際には代入となるため、左辺の値が変わってしまう
  3. 特にC言語系においては、if文の条件式になんら制約がないので、コンパイルが通ってしまう
  4. 結果、if文内で変数の値が変わってしまい、想定と違う動作をするバグを作りこんでしまう

もちろん、この程度の落とし穴ならば、人間が細心の注意を払えば回避可能ではありますが、現代のコンピュータ業界において、性能の向上は著しいものがあります。このような、多少のコンピュータリソースの消費で回避できうるミスならば、回避できる機構を用意して、使うべきだというのが持論です。
その持論に沿うように、最近作られた言語では、if文の条件式にbool値を返す式しか書けないようになっていたりして対策が施されています。
登場当初は、その万能性から高級言語と呼ばれていたであろうC言語も、今となっては、中級言語と呼ぶべき存在になってしまいました。今後も、言語が進化を続け、ヒューマンエラーの排除を言語が行ってくれるようになるといいですね。

※思想「録」と言いつつ、1エントリーしかありませんσ^_^;

2016年9月9日金曜日

TS LISPソース

どうも、はざまです。
前回の記事で、TS LISPの紹介をしました。今回の記事は、そのTS LISPのソースを全掲載しようと思ったのですが、さすがに長くなりすぎる上に、一覧で見せられても、閲覧性が悪くなるだけなので、その役目はGithubに譲るとして、解説を軽くふわりとするだけに留めようと思います。
中身自体、TypeScriptのコンパイラのバージョンがまだ0.8.*だか、0.9.*の時代に書いたものなので、現在のコンパイラでコンパイルしたら、時代遅れ感が否めませんが、まあ参考になる箇所もあるでしょう。
まあ、解説と言っても、そのファイルが何をしているか概要を説明するだけの簡便なものです。人によっては煩わしく感じるかもしれませんが、お付き合いください。


  • Common.ts - IEnumeratorやDictionaryなど、.NET環境の実行環境で広く必要になる基本的なクラス群を独自定義しています。ただ、このソースを書いた時点のTypeScriptの制限で、ちょっと本物の.NET環境とは異なるメソッド定義になっている箇所があります。新しいTypeScript環境では、解消されているのかな
  • WebHelpers.ts - 見た目をコンソール状にする外部ライブラリ"jqconsole"のラッパと、同じ機能を持つクラスを独自定義しようとしているファイル。ただ、独自実装は、途中で力尽きてます( ;´Д`)
  • ErrorFactory.ts - 様々な種類の例外を投げる"例外ファクトリ"クラスを定義
  • Utils.ts - 全体で必要になる種々のユーティリティ関数群を定義
  • LispTypes.ts - LISPの実行環境となるクラス群を定義
  • Reader.ts - LISPのトークンを識別する文法解析器と"クォーサイクォート"と呼ばれる特殊形式の内部表現を行うクラスを定義
  • LispFunctions.ts - 基本的なLISP関数のネイティブ実装を定義
  • Interpreter.ts - 実際にLISPの処理を行うインタープリタ
  • Snippets.ts - LispFunctions.tsだけでは足りない、よく使われる関数やマクロをLISPとして定義し、文字列で保持するモジュール。load-sample関数で読み込めるS式もこの中に定義されてます
  • main.ts - インタープリタ自体のブートアップを行う処理が記載されている
以上が概要です。こんなほとんど中身のない記事ですが、参考に(?)していただけると光栄です。
今更、なんでこんな記事を書いたのかって怒る方もいらっしゃるかもしれませんね。その理由は、なんとなくとしかお答えできませんε-(´∀`; )

2016年9月7日水曜日

新技術と旧技術の融合

みなさん、ご無沙汰してます。はざまです。
今回は、以前何の目的で作ったかは忘れましたが、作成したLISP処理系の紹介です。といっても、実装内容自体は、完全に借用しているため、そのポーティング程度しか語ることはありません。
そのポーティング先となったのが、今やVisualStudioでも、正式にサポートされ、一線級で活躍していると思われる初期のTypeScriptです。まだ、コンパイラのバージョンが0.8.*だか、0.9.*時代に書いたものなので、今から見ると粗がある可能性も否めませんが、大筋は今の思想と合致しているはずなので、今回、紹介するに至った次第です。これを期に、今後、TypeScriptの記事を増やせていけたらいいな〜とか思ったり、思わなかったり。
Jsdo.itがTypeScriptに対応したとの話も聞くので、修正するなら参考実装もそれに合わせて変更する形になるでしょうかね。
そうそう、Web上で動くLISP実装としての活用もしていただけると、ありがたい限りです。